「やあみんな!ボクは人権ケンちゃん!」
ケンちゃん、こんにちは!
「あのね!あのね!人権は全ての人間が生まれた瞬間から持っている普遍的で最も崇高な価値なんだよ!」
へえ、そうなんだ?
「うん!だからね、だからね!被害にあったと訴えている人の声には真摯に耳を傾けて、疑いの心なんて持っちゃいけないんだよ!」
なるほど。確かにそれは大切かもしれないけど、もし不確かな情報をもとに一方的に加害者にされて、社会的立場や仕事まで失う人がいたら、その人の人権はどうなるのかな?
「……」
あれ?ケンちゃん?
「被害者を疑うなんて、もう一度加害したのと同じだよ!ボクは絶対に悪者になりたくないから、被害者の言う事だけ100%信じるよ!」
でもそれだと、利害関係や妬みなどから、他人を陥れようと画策する者に悪用されるような心配はない?
「……」
あれ?ケンちゃん?
「人権は絶対的な価値!コンプライアンスに反している奴は、法の範囲を超えてでも罰を与えて、社会から抹殺してやるのが正義なんだよ!」
なんか怖いなあ…(むしろ〝法〟を無視してるし)。人権を絶対神にした原理主義みたいだし、かえって人間ならではの曖昧さや慣習、文化が阻害される窮屈な世の中にならない?
「……」
あれ?ケンちゃん?
「ジン…ケン、ウタガウ、ダメ!ゼッタイ!」
「人権」で雑に一括りにされている事って、本当は一番それぞれのケースをしっかり見つめ、考え、判断しなければならない事に溢れていると思います。
思考停止して単なる「腹話術の人形」になってしまうか、それとも「人」として生きたいか。
あなたはどっち?